骨は、常に生まれ変わっています。これは、古い骨を溶かす破骨細胞(はこつさいぼう)と新しい骨を造る骨芽細胞(こつがさいぼう)がうまくバランスを取りながら働いているためです。

正常な骨は、破骨細胞の骨吸収(古い骨を溶かすこと)と骨芽細胞の骨形成(新しい骨を造ること)とがバランスを取りながら、常に生まれ変わっています。骨吸収と骨形成のバランスが崩れると、骨に異常が起こります。
それでは骨転移は、どのようなメカニズムで起こるのでしょうか。
がん細胞は、ランクルという物質の生産を促進し、破骨細胞の働きを過剰に活発にします。
その結果、破骨細胞と骨芽細胞のバランスが崩れて、破骨細胞が骨をどんどん溶かしていきます。
骨には「カルシウム等の骨ミネラルや、複数のホルモン関連タンパクなど、がん細胞が大きくなるために必要な成分」が豊富に含まれており、がん細胞はこの成分を取り込んで、さらに大きくなります。
このように、がん細胞は破骨細胞の働きを活発にすることで、骨の中から必要な栄養を得て、骨に転移することができるのです。